第30回 窯変から耀変へ 松崎健 陶芸展
 
第30回 窯変から耀変へ 松崎健 陶芸展
ごあいさつ

 秋風の候、皆様方におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申しあげます。この度、阪急うめだ本店美術画廊I・IIにおきまして「第30回記念 窯変から耀変へ 松崎健陶芸展」を開催する運びとなりました。松崎先生は故・人間国宝の島岡達三先生に師事され、その作陶における精神を学びながらも、独自の作風を確立し、国内外に活動の場を広げて今日に到っております。第30回記念の今展は、くしくも松崎先生の作陶40年にもあたります。初期の呉須鷺文や刷毛目の作品から土の性質を知ったうえで、焼きと造形美にこだわり、さらには自身が考案した薪窯の両焚で窯変を焼くために、何度となく手直しをくり返し、試行錯誤の末にようやく焼きにこだわり抜いた窯の焼き方を基本にして、3年前に新しい穴窯を造って焼成するなど、松崎先生ならではの益子における志埜・織部へと完成させてまいりました。窯変志埜・窯変織部から、耀変志埜、そして金志埜とその焼成の力強さや表現の多彩さ、趣きの深さは他の追随を許さない伝統美と独自性を併せ持つ作品として、輝きを放っております。秀作の中から選りすぐりの大皿、大壷、茶盌、水指、茶入、徳利、ぐい呑み、など100余点を一堂にご覧いただきます。皆様方お誘いあわせのうえ、ご来場賜りますようご案内申しあげます。

阪急うめだ本店 美術サロン

 
作陶四十年を迎えて

 私が、土で器を作ったのは、中学の時に楽焼をやったのが初めてである。その後、高校で焼物を始め、将来の仕事にしようと考え始めた。そして玉川大学芸術学科陶芸専攻に進むことになる。
 これが私と焼物との出会いになるわけだが、早いもので焼物を志してから四十年になる。その間、島岡達三の弟子として五年間お世話になり、島岡先生から、「物を造るということは」について多くのことを学び、独立して三十一年になる。
 阪急百貨店での個展も今回で三十回を数える。思い起こせば、初個展は当時、阪急百貨店会長の清水雅様の推薦もあり島岡先生から個展のお話を頂いた。
 旧阪急百貨店の画廊の前にあった三坪ぐらいのガラス張りの美術サロンでの会が一回目である。
 今回の三十回を迎えるまでには、独自の両焚きの薪窯で窯変を焼きはじめて今までの仕事を一変させて、耀変志埜の世界まで来たが、置き去りにしてきてしまった物も多々ある。
 これから先、自分の中での回帰は必要だと思うが、将来の着地点を定めることはしたくない。
 これからも自分探しの旅は果てしなく続くことになるだろう。


        平成二十一年十月 吉日

松崎 健

表紙
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