ごあいさつ

この度、美術画廊Uにおきまして「第26回 松崎 健 陶芸展」を開催する運びとなりました。
 人間国宝・島岡達三氏を師と仰ぐ陶芸家、松崎健氏は、今や益子を代表する島岡氏の最も優れた後継者として、また同時に、伝統にとらわれない革新的な現代陶芸界の寵児として、その創作活動は常に注目を集めています。殊に昨今はボストンでの三度にわたる個展やニューヨーク・メトロポリタン美術館への出品など、海外での評価も年々高まり、枚挙にいとまがありません。
 焼くたびに松崎氏自身の手で改良を重ねられ続けているユニークな両炊きの遊心窯からは、当初は刷毛目、象嵌、線刻などの伝統的な益子ならではの民芸作品、後に斬新な織部を経て、近年は最も心血を注ぐ自由闊達な灰被窯変や灰被耀変志埜が生み出されています。
 本展では松崎氏の気迫の心気がそのまま宿ったかのような雄渾な灰被窯変作品を中心に、昨年よりも、さらにしなやかに変貌をとげ一層進化した「松崎焼き」をご堪能いただきます。
 是非、ご高覧くださいますようご案内申し上げます。

          平成十七年六月吉日

阪急百貨店 美術部

窯辺語録

最近の窯焚きの中では一番焼き上がりが良く、金志埜が久々に取れた。
金志埜は厄介の奴で、少しでも窯の中の雰囲気が違うと金にならない。
灰被耀変志埜の鮮やかな紅の耀き、金志埜のやわらかい金色に微妙な耀きが、それぞれに加わり耀変が雅の世界を繰り広げてくれる。
今回の窯は、大口に志埜を中心に窯詰め、灰被耀変志埜を狙うことにした。往来の物は一番の部屋で細かい綺麗な灰を被らせて鮮やかな紅の耀変志埜になるが、大口では対照的に灰をしっかり被り志埜釉の上を流れるビイドロが灰被耀変志埜に力強さを加える。
いかに志野に近づくかではなく、どうすれば志野を引き寄せ自分の志埜にするかを考える。

          平成十七年六月吉日
                      松崎 健

 

表紙
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