灰被窯変刻文花器(部分) 13.7×30.0×高27.4cm
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灰被窯変志野 窯辺語録

本来志野は、肌の白さに紅をさしたような緋色が現れる、これが桃山からの志野だと思う。
ガス窯で志野を焼くと言うことはガスでしか焼けない志野を焼きたいと想い今日まできた。
そして蘇芳志野 紫炎志野といった志野が焼けた。この志野を何とか薪窯で焼いて見たいと常々想っていた。私の窯は 両焚きで両方の大口に挟まれるように壱の間が有る。
この壱の間で志野を何時か焼きたいと想い、窯変を焼きながら志野が焼ける温度帯を探りつつ7年がたち、やっと今回重い腰を上げて、紫炎志野で得た経験を薪窯にぶつける事にした。
灰被窯変を焼くための窯だけに志野が窯変する事は免れないのだから、志野が志野でいる事より、自分の志野になり得るのかを考える・・・・両焚きの窯の特性を生かして窯変志野を焼く事にした。
志野がとれる条件を窯の中に満たしていきながらも脳裏に一抹の不安がよぎる、その不安を拭い去るかのように窯の口一杯に薪をくべる、その繰り返しが7日間つづいた。
こうして不安を抱えながら昨年の秋、窯変志野が焼かれた。その窯出しをして手答えを感じながらも、窯変志野を更に自分の志野に近づける為に今回は、匣(さや)に入れずに焼く事にした。大口からの細かい綺麗な灰を被せるためである、これが今回の灰被窯変志野で有る。
今回の窯焚きは終始興奮の連続だった、その興奮が窯出しまで続いた。 窯出しが終わると興奮も治まり灰被窯変志野に満足しながらも静かに志野に向かい合う自分を感じる。
平成十四年五月吉日
松崎  健
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