窯変志野窯辺語録

本来志野は、肌の白さに紅をさしたような緋色が現れる、これが桃山からの志野だと思う。
ガス窯で志野を焼くと言うことはガスでしか焼けない志野を焼きたいと想い今日まできたそして蘇芳志野、紫炎志野といった志野が焼けた。この志野を何とか薪窯で焼いて見たいと常々想っていた。私の窯は、両焚きで両方の大口に挟まれるように壱の間が有る。
この壱の間で志野を何時か焼きたいと想い、窯変を焼きながら志野が焼ける温度帯を探りつつ七年がたち、やっと今回重い腰を上げて、紫炎志野で得た経験を薪窯にぶつける事にした。
灰被窯変を焼くための窯だけに志野が窯変する事は免れないのだから、志野が志野でいる事より、自分の志野になり得るのかを考える…両焚きの窯の特性を生かして窯変志野を焼く事にした。
志野がとれる条件を窯の中に満たしていきながらも脳裏に一抹の不安がよぎる、その不安を拭い去るかのように窯の口一杯に薪をくべる、その繰り返しが七日間つづいた。
両方の大口の物に十分灰が被っているのを確認して火を止める、あとは壱の間の徐冷が上手くいく事を願うだけだ…
今回はすがすがしい気分で窯焚きを終わる事が出来た
平成十三年十一月吉日
松崎 健
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